北海道フリー切符の旅(part3)



6月9日


1.「スーパー北斗」283系グリーン車

 7時発の「スーパー北斗」に乗るために6時半頃に駅のホームに行く。まだ「スーパー北斗」は入線していなかった。しばらくすると、283系が入線してきた。

いきなり最高の車両がきた。すぐには車内には行かず、車体を撮る。そしてグリーン車に入ると「す、すごい」という言葉が出てきてしまった。「つばめ」「ソニック」などと同じような驚きがあった。座席に座ると、どっしりとしたシート、まさしくグリーン座席だ。読書灯、リクライニングなどがすべて肘掛のところにあるワンボタンで操作ができる。一番驚いたのはレッグレストというものである。足が斜めにでき、フットレストと合わせて使うとすごい快適だ。もしかすると「つばめ」のシートを超えるのではないかというくらい、すごいものだ。やはりJR北海道の自慢の車両と言うことがうなずける。なんとグリーン車は満席になった。

7時定刻とおりに発車した。ヘッドレストも自由に動かす事ができることを知り、これで787系より283系グリーン車の座席の方が上に決まった。照明も薄暗いオレンジ色という点も283系に軍配が上がる。今一番良いグリーン車は283系だろう。

列車は、新札幌を出ると、グリーン車のサービスが始まった。まずは改札、次におしぼりをもらい、その時にドリンクのオーダーをする。メニューはホットコーヒー、オレンジジュース、ウーロン茶の三種類だった。まずは、朝という事でコーヒーを頼んだ。砂糖とミルクの数も尋ねられたので二つずつ注文する。ドリンクがきたのは南千歳に到着する頃にきた。283系はまるで電車みたいに加減速がすばらしい。さすがにくつろぎモードになってしまうが、7時40分に苫小牧に到着した。ここで長い、長い、長い日高本線の旅が始まろうとしていた。


2.往復6時間以上!日高本線

 苫小牧のホームに着いてもまだ様似行きは到着していなかった。二階の改札口に行き、駅弁を見るといろいろなものがあった。とりあえずサーモン寿しを買い、ホームに降りると折り返しの日高本線の列車が到着した。キハ40系の2両編成で大混雑をしていた。ここで、1両切り離しをしていたので見物をした。その後、扉が開き1両編成となった様似行きに乗り込んだ。ワンボックスを占領して駅弁を食べた。発車時刻が近づくとほぼ満席の状態となり、8時03分に3時間の旅が始まった。

しばらくは室蘭線と並行するがしばらくすると右にカーブをして海のほうへ近づいていく。鵡川で行き違いをして出発すると海が見え、牧場がたくさん現れた。その多くは馬が放牧してあり、まるで別世界へきたのではないだろうか?と思うくらいすごかった。内地とは全然違う。海に近づくと波がかかってしまうのではないかというところを何度も走る。日高本線最大の駅、静内に着くと半分くらいの乗車率となった。ここで15分位停車した。

その間にカメラに撮ったりしていた。しかし、発車する頃になると、入れ替わっただけで乗車率はさほど変わらなかった。静内を出ると、海とはしばらくお別れをして山岳地帯へと入っていく。日高当別を発車してから急ブレーキがかかった。何事かと思えばエゾシカが線路を横断していたという事であった。しかも、木の中に逃げるエゾシカを発見した。しかし、カメラに撮る事はできなかった。

浦河駅は1面1線の駅だが、多くの線路や木材が積み上げられていた。少し構内が広かった。浦河を出ると、また海岸線を走る。東町を過ぎると、昆布の干してあるのが、たくさんあった。それを見ていると、また急ブレーキ。エゾシカか?と思うと、人が横断していたという事だった。たしかに本数は少ないのだが、驚きである。線路のギリギリ近くまで昆布が干してあるから。しばらくは、海ギリギリを走り、鵜苫からは山岳地帯へと入り込んだ。またここにも馬の放牧がいくつもあった。終点の様似には11時19分に到着した。

ほとんどの乗客はえりも岬行きのバス停にいった。駅舎を出て、車止めのところまで行き、シャッターを切った。そして様似の駅舎も撮り、しばらく過ごす。しかし、やる事がなく食料買出しのために駅の周りをウロウロするとA−coopというスーパーを発見。ここで昼飯を買った。12時頃にホームに戻り、しばらくたつと扉が開いて乗り込んだ。高校生も乗り込んだのだが、半分以上の乗車率であった。

12時15分定刻とおりに発車。また逆の3時間の旅が始まった。帰りは静内でかなり乗り込む。静内を過ぎると、自衛隊の射撃場などがあり、その近くにも馬が放牧されていた。そして、今までの馬はあまり列車には関心を示していなかったが、ここの馬は、列車と勝負をしていた。はじめは、良い勝負だと、熱心に見ていたが、やがて、馬をどんどんと離していった。敗北を認めたのか?勝負していた馬が、悔しそうな仕草を見せた。

徐々に乗客も乗り込み、ほどよい混み具合になった。このまま苫小牧までこの状態が続いた。立客がたくさん出ることはなかった。15時24分に苫小牧駅に到着した。函館方に向かうほとんどの乗客がすぐにきた、781系「すずらん」に乗り換えていった。もちろん、それには乗らずに「スーパー北斗」を待つ。


3.S北斗の旅

 15時58分の「スーパー北斗」は朝と同じ283系だった。これまたラッキーかと思い、時刻表を見るとすぐに納得した。折り返しを計算すると283系になるのだ。もちろん朝と同じサービスを受ける。残念な事に山側の席で、海の景色は見にくかった。東室蘭を出て非電化路線に入っても、ずっと複線は続いていたが、有珠山の付近では単線となっていた。よくみると、有珠山から少し煙が出ているのを見た。やはりシートは「つばめ」以上という事を再び乗車して確認させられた。意外にも洞爺から長万部にかけて海沿いを走るのだが、トンネルの部分も多かった。長万部には17時18分に到着した。グリーン車から降りる客はいなかった。


4.山線の旅

 長万部駅は広かったが、2面4線の駅だった。反対のホームへいき、キハ130系1両編成の小樽行きのワンマンカーに乗る。乗客は三人しかいなかった。あまりの少なさにびっくりした。土曜日のせいなのだろうか?17時35分に出発した。やはり山線とあって1駅の区間が長かった。二股駅で全員が降りてしまい、黒松内駅は山線にしては大きい駅だった。何か廃墟化をしていた。昔は、繁栄をしていたのだろうか?ここで一人乗り込み、自分一人ではなくなった。しかし、目名駅でその一人も降りてしまい、本当にまた一人となった。

蘭越駅で反対列車と行き違い。反対列車のキハ40系はかなり混んでいた。そしてここでかなり降りていた。そしてニセコに着くと、やっと人が乗ってくる。羊蹄山が時々左に見えたり、右に見えたりするのだが、だんだんと暗くなってきた。19時21分都会らしい街並みがみえる倶知安に到着した。

ここで十数人乗り込み、夕方のラッシュのような感覚がした。19時31分に発車した。すでに真っ暗になっていた。すでに車内は居眠り列車化をしていてとても静かだった。途中、余市でまとまって乗り込んできた。余市を出ると、祭りなのだろうか?屋台がたくさん並んでいて賑わいを見せていたが、車内は1両なのに賑わいを見せていなかった。長かった3時間も終わり、終点の小樽には、20時40分に到着した。小樽に着くと、大粒の雨が降り始めた。


5.小樽〜札幌間の普通

 20時58分の江別行き普通は、721系の6両編成の転換式シート。Uシートはない車両であった。デッキみたいなのがあるが耐寒のためだろう。車内は2分割に別れているような感覚の列車だ。小樽発車時点では乗客は少なかった。南小樽ではほとんど乗降はなし。しかし、次の小樽築港駅ではかなりの乗客が乗ってきた。ほぼ満員となり立客も出た。左車窓を見ると、マイカル小樽があった。まさかこんな所にマイカルがあるとは・・・。少し驚いてしまった。その後は、乗降はあっても大して増える事はなく、21時43分に札幌に到着した。雨はずっと降っていた。


6.初の解放式B寝台

 まだ次に乗る「オホーツク」は入線してなかった。アルコール類がほしいと思い、閉店間近のキオスクで買い込んだ。「オホーツク」が来るホームにはたくさんの人がいた。よく見ると、ほとんどの人が自由席の乗車口のほうへ流れていく。21時50分過ぎに「オホーツク」が入線した。

B寝台に乗り込もうとしたのだが、1両増結していたせいで後ろへ走るハメに。どうやら自由席はかなりの量らしい。座れない乗客がたくさんいるようだ。しかし、B寝台ではそんなことは関係なく、のんびりと布団と毛布の準備をしていた。初めてのカーテン式寝台、意外にも半分近く埋まっていた。女性専用は、満席だった。出発前にすでに切符を拝見していた。22時09分定刻に出発した。

今までの睡眠不足のせいかよく眠れそうだ。とりあえずは、アルコールで眠気を呼んだ。そして、江別、岩見沢をすぎてからカーテンを引いて眠る事にした。しかし、すぐに眠りに落ちる事はなかった。B寝台以外は車内放送をしていたが、当然聞こえないが眠れなかった。しかし、今までの睡眠不足のせいなのか旭川に着いたのを知っているのだが、その出発を知らずに眠りに落ちていた。途中、少しずつ目を覚ますが、すぐに眠ってしまった。「おはようございます。」と車内放送がかかり、我に返った。車窓を見るときれいな湖が。これが網走湖であった。目覚めれば湖があり、とても新鮮であった。そして、降りる準備ができると6時15分終点の網走に到着した。






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